2007年03月27日

【55杯目】丸天/中華そば500円

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みなさん、30周年記念企画「半額ラーメン」はお楽しみいただけましたか?

今回も多くの方のご協力で、大変な盛り上がりをみせました。チケットを使って食べ歩いていただいた皆さん、無理をお願いしたお店の皆さん、本当にありがとうございました! またの機会があるかどうかは分かりませんがこれからも皆さんに喜んでいただける企画を考えていきたいと思います。
まずはスタッフを代表して、ラーメン好きな皆様にお礼まで。

さて、本題ですが、みなさんは映画「UDON」をご覧になりましたか?

ちょっとネタばれなので、これから見ようと思っている人はココから数行は読まないでください(笑)。

主人公のユースケのお父ちゃんがひとりで細々とやっていた「松井製麺所」が、お父さんの急逝によって事実上閉店。入り口には「しばらく休みます」という張り紙が貼られたのですが、松井のうどんを日ごろから食べていた地元の人たちが復活を願い,
その張り紙にメッセージを書き始めます。そのうち、ノートをぶら下げる人たちもいたりで…。それを見たユースケ。「親父のうどんを復活させて、楽しみに待っているみんなの期待にこたえたい」と一発奮起!

とまあ、ここから映画のトーンが一変し、小さな奇跡が生まれる感動のクライマックスへとなだれ込んでいるのですが…。

香川県だけ、讃岐だけじゃないですよ。

岡山にも「小さな奇跡」があったのです。

それは昨年のことでした。岡山の「名店中の名店」と名高い『丸天』のご主人が体調を崩されて亡くなられました。常に一緒に厨房に立ってらっしゃった奥さんは「もう、お店はこれで終わりにしよう」と思い、ご主人にもそう約束をされたらしいです。

しかし、急にお店が閉まったもので、お客さんたちは「どうしたんだろう」と心配に。そこで事情を書いた張り紙がお店の入り口のドアに張り出されたのです。

そうしたら。

長い間、丸天の味に親しんできた人たちが「もう一度復活してください」「大好きでした、丸天のラーメン」と、張り紙に心のこもったメッセージを書き込み始めたのです。

それからしばらくの時間がたって、この3月。冬が春に変わるころ。

奇跡は、起こりました。

厨房に立っているのは二人の年配の男性。ここの味にほれ込んだお客さんだったそうです。

そして、その隣には亡くなったご主人の奥さんの姿も。しばらくはお店にたたれるそうです。おそらく、誰よりも厳しい「お客」として、名店の味の復活に一役かわれているのでしょう。

この話を聞いた常連客は、一様に喜び、お店に駆けつけました。普通、同じ看板で違う人がお店を始めたりしたら「昔の味には程遠い」「看板が泣く」などと悪い言葉を聞くことも多いもの。実際にそういう声もなくはないでしょう。しかし、みんな非常に暖かいのです。何よりも大好きだったラーメンの復活に、そしてそれを復活させてくれた人たちの心意気に、きっと「何か」を感じたのでしょうね。ハートが熱いんですね。

味というのは、記憶と共に美化されるものです。でも、それを越えて心に伝わるものがあれば、何にも勝る調味料になるのですね。それを今回は痛感しました。

ワタクシがお店に行ったのは昨日の夜。お昼の営業はされていない店なので、普段はなかなかチャンスがないので、会社の飲み会のあとに、この春に部署移動になってLLIO娘となった「なると小町」ちゃんとふたりで出かけていったのです。

平日の夜だというのにお店はいっぱい。テーブルにつくと、隣に座ってたおじちゃん客が「ワシは学生のときからきとるんよ」と連れの方に語っています。アルバイトとおぼしき女性がワタクシらのところへやってきて、「すみません。今ちょうど湯を沸かしているところなので、ちょっとお時間頂くんですよ」と頭を下げられます。

ここで「ああ」と気づいたワタクシ。このお店はオーダー不要だったのです。メニューは「中華そば」のみ。入ってきたらすぐに人数分麺が投入され、その人の性別や年齢、疲れているのか、元気がありあまっているのか…そんな状態を観察して麺の調子を変えるのが、ここのお店の名物だったのでした。

ちなみに「どのくらい時間かかりますか?」とお聞きすると「3分くらいかかります」と申し訳なさそうに…。3分? 人気店なら席についてから10分15分くらいは平気で待たされるこの時代に、3分で「すみません」と頭を下げられるのですよ。すごいですね。『丸天』のゲノム(遺伝子)は確実に伝承されているようです。うれしいですね。うれしいです。

ラーメンを運んできてくれたのは、先日「VOICE21」にも登場していた恰幅のいいおやじさん。見た目こわもて風ですが、愛嬌があって優しそうです。

ラーメンに箸をつけます。麺は平麺でアルデンテ風。薄切りのカマボコが気分をアンチークにさせてくれます。スープはスッキリとしたあっさり味。それでいて、しっかりコクも感じます(番組で奥さんは「コクが少ないわねえ」とマイルドなダメだしをされていましたが、ワタクシには十分でした)。まあ、「ちょっと薄めかな」と思ったら、テーブルの上にあるラーメンだれで調節すればよろしい。その辺も考えての薄めの味付けなんでしょうね。

久しぶりに夜に食べるラーメン。飲んだあとのシメにはぴったりのいっぱいですね。体があったまりました。でも、それ以上に、なんともいえない想いが頭の中でぐるぐるぐるぐる駆け巡っています。あなたもぜひ、この不思議な感覚を体験して「小さな奇跡」を味わってください。

(by大盛アニキ)
「丸天」
その他は各自調査よ。
お昼はやっていないです。それが『丸天』イズム。
posted by ラーメンexp at 20:11| Comment(4) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お〜、いい話ですね。

大盛アニキさんも
そろそろどこかの厨房に
立たれてもおかしくないですね。
Posted by フランスラーメン at 2007年03月29日 20:07
>>フランスラーメン様

またまたの書き込みありがとうございます。

とんでもない。「モチはモチ屋」がワタクシの信条でございます。自分でいろいろと試して自作してみるのも楽しいのでしょうが、料理が苦手なワタクシにはとてもとても。

でも、素人がプロの作ったものを身勝手に評論するって言うのも、考えてみれば酷な話ですよね。おいそれと評論なんてできませんね。
Posted by 大盛アニキ at 2007年03月30日 22:10
前(?)の丸天の娘です。
私は神奈川に住んでいて、復活したのも、ナント!オープンして数日後でした。
知ったときはかなり複雑な気持ちでした。
もちろんまだお店にも行っておりませんし…。
でも、こちらのブログを読ませていただいて、安心しました。
父の思いを受け継いでくださっているのだろうと。
どうか、岡山の皆様が新しい『丸天』を暖かく見守ってくださいますように…。
Posted by はるみ at 2007年03月31日 11:28
>>はるみさま

はじめまして。コメントありがとうございます。今は神奈川にお住まいなのですか。わざわざの書き込み、本当に嬉しく思います。

実は、ウチのタウン情報の編集にいる新人な若侍が、張り紙に書かれていたコメントに感動をし、何枚も何枚も写真を撮っていました(間違いなく無断で撮影してますね)。それをぼくも見せてもらったのですが、正直胸が熱くなりました。

複雑な心中、お察しします。お母様もテレビ番組で同様のことをおっしゃっていました。

でも、亡くなられたお父様のあの味を忘れられない多くの人の思いによって、再びあの店舗に明かりが灯ったこと、僕はひとりのラーメンファンとして本当に嬉しく思います。僕にとっても、高校時代のバイト帰りに何度もお世話になった青春の味なのですから。

また帰岡される機会がありましたら、ぜひ
味わってみてください。きっと胸の奥が暖かくなると思います。
Posted by 大盛アニキ at 2007年03月31日 17:29
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