2006年12月20日

【29杯目】天神そば/天神そば650円

※今回もめちゃ長文ですので覚悟してお読みくださいませ。もしくは薄目で。


我が「タウン情報おかやま」では、忘れたころに「新しいプランを持ち寄りましょう!」と、新企画立案のためのアイディア会議が実施されます。当然、事前に企画をいっぱい考えて資料を用意しなければならないのですが、これがもう大変。毎日毎日さまざまな業務に追われている私(このブログを書いたり、ラーメン食べに行ったりと忙しいのです)なので、ついつい見て見ぬふりをして努力もせず放置。「時間が解決する」という得意のオリジナル民間療法に頼ってしまい、夏休み後半の小学生のように、締め切り直前になって顔面蒼白であせり始めるのです。学習能力ゼロね。

そんな私の「持ちネタ」と化して毎回提案しているのが、『鶏料理特集』。岡山の人は本当に鶏料理が好きで、『ほかほか弁当』でも、他県に比べて「とりめし」の売り上げが半端じゃないとか。もちろん私も大の鶏好きです。そんなわけで毎回毎回手を変え品を変えて提案し続けております。

前回「鶏スペ2006」としてプランを出して却下になったので、今度は「チキチキ・チキンスペシャル2007」と装いも新たに再提出。「名前が変わっただけじゃねえかよ!」と、直属のBOSS(ラーメン好き)に至極まっとうなツッコミをされて、大いに失笑をかってしまったのですが…。


そんな岡山県民が大好きな鶏。そう、ラーメンも鶏ガラベースのお店がありますね。岡山で鶏ガラベースのラーメン店といえば、やはりまずはこのお店の名前があがるのではないでしょうか。

ご存知、『天神そば』は、「全国に通用する一杯」と言われている超有名店ですね。城下にあって、『ジャノメミシン』じゃないほうの赤いテント(?)が目印です。いろんな意味でカリスマ的な存在で、実際に全国の各地からここの味をこっそりリサーチに来る店主や業者も多いとか。

名前がいいですよね、「天神」。天神町にあるからでしょうけど。「天神」とは英語で言うと「SKY GOD」。「空そのものが神さま」みたいな意味合いだそうです。昨日たまたま見た『大阪物語』って映画で池脇千鶴ちゃんがそう言ってましたので間違いありません。このお店はラーメンそのものの味だけでなく、空間そのものがカリスマ的な存在感を放っていますから、この店名、言い得て妙だと思いますよ。

まず、ここを目指してやってきたお客のド肝を抜くのが、店舗の佇まいでしょうか。「これぞ昔かたぎのラーメン屋」という風情で、このお店を語る上で欠かせない要素のひとつです。いわゆるテレビ映え、誌面映えをするんでしょうね。いまどきの凡百の店舗に比べ、振り切れた個性を持っているだけにニーズが高いのでしょう。

貫禄あふれるこのお店の風体には、無味無臭にデオドラントされた平成の日本人が、オシャレスポット(カフェとかクラブとかケータイショップ?)に忘れてきた、無闇に武骨なサムシングが息巻いています。そうです。現代の世間から失われて久しい昭和の芳醇を、ヨッコラショと全部背負ってくれている懐かしくも輝かしいムーブが、お店のそこかしこにあふれているのです。

お世辞にも広いとはいえない店内に入ると、いろんな生活用品などが雑多においてあり、それがそのままオブジェとして店内装飾と化しています。カウンターの奥には、2階に上がる階段なども確認でき、「上の階にはいったい何があるんだろう?」などと無駄に好奇心を刺激します。

さて、カウンターに座って注文をします。これまた有名ですがオーダーは番号制で、「3番」、「9番」などといった具合に注文をします。「肉の多く入り」など、ダイレクトすぎるメニュー名がユニークですね。お店の方は全部で4名。ご主人のほかは3名は女性で、大変気のいいおばちゃんです。が、なぜだか店主とは喧嘩ごしの注文確認を繰り広げています。目の前で展開されるスリリングな応酬がみものです(笑)。

そして、一見気難しそうなのがご主人ですが、その日はジーンズ姿。ラフなファッションですね。そのときちょうどテレビではNHKの歌番組が放送中。細川たかしが「霧の摩周湖」を歌っていたら急に合わせて歌いだし、その衝撃は対面に座っていたワタシを直撃。さすがにびっくりして動きが止まり、凝視してしまうワタシ。すると目が合って一瞬気まずそうな表情をされたので照れ笑いで微笑み返しました。うーん、実にさわやかな気分だ!

店内に氷川きよし風な「竹島宏/陽のあたる場所」というポスターが貼られていたりするので、てっきりおば様たちの趣味なのかと思っていましたが、ご主人もお好きなのですね。きっと。

ラーメンのほうですが、昔から「黄金の鶏がらスープ」と称され、マニアたちに珍重されてきたスープを一気に味わいます。あっさりに深いコク。聞けば、1杯のラーメンに使用される鶏ガラは1羽分以上とか。深い味わいを出すために廃鶏を一日200羽も煮込むそうです。ああ、これが伝説を生んだんですね。トッピングでカマボコがのっているのも珍しいですね。

この店にきたらいつも「人は舌だけで味わうのではない」ということを痛感します(←このセリフ、ラーメン本創刊の暁には帯の部分で煽りコメント的に入れますので要チェケ!)。店の雰囲気や、ビジュアル、その日の気候や自分の気分などいろんな要素が加わって味覚は判断されるもの。だから小難しいレトリックを多様して味覚を論じても無意味なんですね。

ペロリと食べ終えると、そこに閉店時間を問い合わせる電話がかかってきました。「今日は●●時」と答えるご主人。「今日は」って…。日によって変わるのね。

満足してお店を出ました。改めてお店の外観を見ると、向かって入り口左側に、なんでか知らないが業務用の冷蔵庫が…。そんな…。まさか屋外なのに…。あのなかに食材が…。そんな疑問が頭の中を駆け巡った後に出てきた答えはひとつ。

「あの冷蔵庫、開けたい…」。

「きっと『天神』の秘密はあの中に隠されているのに違いない」と、勝手に解釈。封印は「解かれる瞬間」のために存在するのだ、多分。しかし、それはきっとライトに犯罪な行為。社会人としてそんな行動は許されるのか。ある意味覗き見?痴漢行為? しかしこのほとばしる好奇心は抑えられない。よし、「あ、間違っちゃった!」とか大声で叫んでどさくさまぎれにあけちゃおう。それでこそ「エクスプローラーズ」だ!(完全に間違い)。

そう決心して、恐る恐る冷蔵庫に近づくと…。ああ、だめだ。親父さんが厨房の勝手口から半身を乗り出して仕事してるわ。「ありがとう!」と岡山弁イントネーションでお礼を言われてしまいました。はい、また来ます!

ああ、まさしくチキン野郎ね(ここのラーメン並みにウマイ!)。

(by 大盛アニキ)


「天神そば」

■086-223-7057
■岡山市天神町1-19 
■営業時間11:00〜16:40(日によって変更、延長あり)
■休土・日曜
posted by ラーメンexp at 15:21| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「ああ、まさしくチキン野郎ね」このオチ、最高です!ついつい思わず最後に笑ってしまいました。大盛りアニキさんはとても人柄がユーモラスな方なのではと思っちゃいました。「天神そば」は私も2、3回行った記憶がありますが、スープがとてもあっさり、すっきりだったのを覚えてます。お店の中も良い意味でインパクトあって。あー、今度の映画帰りは「天神そば」に寄っちゃおうかなー!?
Posted by 金八の豚角煮は最高にウマイ!! at 2006年12月20日 22:26
>>金八の豚角煮は最高にウマイ!!さま

いつも愛読&ご声援ありがとうございます。「大盛りアニキさんはとても人柄がユーモラスな方なのでは」とんでもございません。「金八の豚角煮は最高にウマイさんこそ、ビッグハートで、ラーメン好きで映画好きな素晴らしい方に違いない!」と、メンバー一同(ふたりですが)ハンカチを涙でぬらしております。ウチの編集長もきっと同じ思いのはず!

このお店、夜はやってらっしゃらない(はず)なので、昼間の映画帰りにぜひお立ち寄りください。いや、映画帰りじゃなくても大丈夫ですけど(笑)

また、素敵なコメントお待ちしております!
Posted by 大盛アニキ at 2006年12月21日 11:31
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